まず「アクセント」と「イントネーション」の違いについて簡単にご説明します。
- アクセント: 単語単位での音の変化を指し、その高さや強さによって、単語の意味や区切りがはっきりします。
- イントネーション: 文章全体にわたる音の調子を指し、音の高低を通じて、文章の意図(例えば、肯定や疑問)や話し手の感情を伝えます。
この記事では、もっと詳しく解説していきます。
アクセントの役割と意味について
アクセントとは、単語に付けられる音の高さや強さの違いを指し、これは社会的な規範に基づいています。
アクセントを用いることで、単語の意味や他の単語との区別をはっきりさせることができます。
注意点: 音の高さや強さの使い方は言語によって異なります。例えば、日本語では音の高さ(高さアクセント)を使い、英語では強さ(強さアクセント)を使います。
例: 日本語(東京方言)の「あめ」 「あ」を高く、「め」を低く発音すると「雨」 「あ」を低く、「め」を高く発音すると「飴」
例: 英語の「dessert(デザート)」と「desert(砂漠)」 「dessert」は米国では dɪzˈɚːt、英国では dɪzˈəːt と発音 「desert」は dézɚt と発音 → 強弱の位置で意味が異なります。
イントネーションの意味と使用法
イントネーションとは、話すときに息を吸ったり吐いたりするタイミングで変わる、音の上下のリズムのことです。
日本語では「抑揚」とも言われ、これもまた社会的な慣習に基づいています。
イントネーションを使うことで、意味の違いや話し手の感情を伝えることができます。
例: 「一緒に行きます」 語尾を下げると肯定的な意味に、語尾を上げると疑問の意味になります。
アクセントとイントネーションの基本的な違いについて
アクセントとイントネーションは、言葉を話す際の音の高低や強弱に関係している点で共通していますが、以下のような点で異なります。
対象とする基本単位の差
アクセントとイントネーション、それぞれ異なる基本単位に焦点を当てています。
アクセント:単語や単語の組み合わせに特有
イントネーション:文章全体を通して アクセントは、単語や単語の組み合わせにおける音の高さや強さの変化を指します。
対照的に、イントネーションは文章全体にわたる音の高低や強弱の変化を扱います。
アクセントとイントネーションの機能的な違い
アクセントとイントネーションは、それぞれ異なる役割を担っています。
アクセント:同音異義語の区別や、言葉の区切りの明確化
イントネーション:文章の意味(例えば肯定や疑問)の明示、話者の感情の表現 アクセントは、例えば「あめ」の「雨」と「飴」を区別する能力や、「にわにはにわにわとりがいる」のような文の単語の区切りを明確にする機能を持っています。
一方でイントネーションは、「一緒に行きます」のような文章での肯定と疑問の意味の違いを示し、「そうですか」という文で話者の納得感や怒りなどの感情を表す機能があります。
アクセントとイントネーションの比較まとめ
基本単位:
- アクセント:単語やその組み合わせ
- イントネーション:文章全体
機能:
- アクセント:同音異義語の識別、単語の区切りを明確化
- イントネーション:意味の違い(肯定、疑問など)の表現、感情の表出