実印は重要な手続きに頻繁に使用される大切なアイテムです。
その実印を作成する際、どの書体を選ぶべきか悩んだことはありませんか?
実印を含め、印鑑には様々な書体が選べますが、どの書体が実印に適しているのでしょうか?
今回は、実印における印相体の評価や、メリット・デメリット、適した書体の選び方についてご紹介します。
印相体は実印には良くない?
「印相体は実印に向かない」という意見もありますが、必ずしもそうとは言えません。
印相体は独特の書体であり、安全性や耐久性に優れています。
そのため、実印として重要な契約に使うのに最適です。
ただし、特異な書体ゆえに「判読できない」と判断され、使用が制限されることもあります。
こうした点から「印相体は良くない」との意見が出ることが考えられます。
しかし、印相体は高い安全性を持ち、実印として使用する人も多くいます。
したがって、印相体が絶対に悪いとは言い切れません。
印相体【吉相体】とは?
印相体は、印鑑用に作られた独自の書体です。
吉相体とも呼ばれ、文字が八方に広がるため、開運印相としても知られています。
この独特な書体は、偽造防止にも効果的で、実印として人気があります。
ただし、判読が難しいために登録が拒否される場合もあります。
実印を印相体にするメリットは?
印相体を実印に使用するメリットとしては、『偽造防止』や『高い耐久性』が挙げられます。
印相体は印鑑専用の書体であり、偽造が困難です。
違法な印鑑の偽造による被害は依然として存在しますが、実印を印相体にすることで、安全性が向上すると考えられます。
また、印相体の印鑑は耐久性が高いとされています。
一般的な印鑑は名前と縁に隙間が生じますが、印相体は文字が八方に広がるため、隙間が少なく、欠けにくくなっています。
そのため、印相体の印鑑は、安全性と耐久性を兼ね備えた実印に最適な印鑑と言えるでしょう。
実印を印相体にするデメリットは?
実印を印相体にする際のデメリットとして、『登録ができない可能性がある』点が挙げられます。
印相体の書体は、一見して判読が難しいことが多いです。
そのため、名前の判別ができず、印鑑登録が拒否される可能性があります。
非常に複雑な名前でない限り稀なケースですが、ゼロではありません。
せっかく印相体で実印を作成しても、使用できなければ残念ですよね。
このようなことから、登録できない可能性がデメリットとされています。
しかし、一部のお店では彫り直しなどの対応もしてくれる場合があるので、実印を作成する際は事前に確認しておくと良いでしょう。
実印に使う書体:印相体と篆書体の違いは?
印相体に似た書体として、篆書体(てんしょたい)があります。
篆書体は、日本銀行発行の紙幣の印鑑に使われている書体で、印相体よりも馴染みがあるかもしれません。
篆書体は印相体よりも古い歴史を持ち、日本最古の『漢委奴国王』の金印も篆書体で刻まれています。
これもまた独自の書体で、印相体と同様に偽造しにくい特長を持っています。
篆書体の文字を基にして印相体が作られたとも言われており、篆書体はより由緒ある書体です。
どちらの書体も実印に適しており、篆書体はやや隙間が多い程度で大きな違いはありません。
印相体と篆書体ならどっちを選ぶ?
印相体と篆書体には大きな違いがないため、好みで選ぶのが良いでしょう。
自身の氏名にどちらの書体が合うかで選んでも問題ありません。
また、デザイン重視や高級感を考慮して選ぶのも一つの方法ですので、詳しくご紹介します。参考にしてください。
デザイン重視なら印相体
デザインに重点を置くなら、印相体がおすすめです。
印相体は通常の印鑑と異なり、文字が八方に広がる独自のデザインを持っています。
そのため、少しかっこよく見え、繊細ながらも高いデザイン性が人気です。
また、偽造しにくいデザインでもあるため、安全性が高いのも印相体のメリットです。
デザイン性と安全性の両方を重視する場合は、印相体を選ぶと良いでしょう。
高級感のあるスタンダードな篆書体
篆書体は、古くから使われてきた由緒ある書体で、実印として非常にスタンダードな選択です。
ぱっと見て読める書体とは異なり、独特の形状から高級感が漂います。
また、デザインの組み合わせ次第で、さらに高級感を引き立てることも可能です。
重要な契約の際に「特別な実印」を求める方は、篆書体を選ぶのがおすすめです。
実印の書体の選び方は?
実印の書体を選ぶ際、特別なルールはありませんので、好みの書体を選んで問題ありません。
しかし、偽造されにくい書体を選ぶことが重要です。
実印は、重要な契約時に使用されることが多いため、単純な書体のハンコは偽造されやすく、安全性が低い傾向があります。
「財産がないから大丈夫」と考えていても、気付かないうちに犯罪に巻き込まれたり、借金を背負ったりする可能性があります。
そのため、実印の書体は、印相体や篆書体など偽造されにくい書体から選ぶことをおすすめします。
実印で登録できないのはどんなもの?
実印は作成すればどんなものでも登録できるわけではありません。
基本的にハンコであれば登録は可能ですが、サイズなどの規定があるため注意が必要です。
登録ができない実印の条件を6つ紹介します。
サイズが規定外
実印で登録可能なサイズは自治体によって異なります。
一般的には、印影が8mm四方から25mm四方以内のものであれば登録できます。
印影とは、ハンコを押した際の印の大きさです。
25mm四方を超えるものは登録できませんので注意しましょう。
前述の通り、実印のサイズ規定は自治体ごとに異なります。
正しいサイズについては、必ず自治体に確認してください。
印影が不明瞭
ハンコによっては押印時に印影が不明瞭になることがあります。
薄い印影や文字がにじんでいる場合、名前が判別しづらく、実印として登録ができません。
彫刻技術により、最初から不明瞭なものや、使用しているうちに目詰まりなどで不明瞭になるものもあります。
もし最初から印影が不明瞭な場合、彫り直しを提供している店舗もありますので、購入時には確認してみてください。
既に登録済みの印影
実印として登録できるのは、一つのハンコにつき一つだけです。
したがって、家族が既に登録しているハンコを実印として使うことはできません。
「同じ苗字なら区別がつかないのでは?」と思うかもしれません。
しかし、手彫りの実印は同じものが二度と作れないようになっています。
一つ一つ丁寧に彫るため、素人には分からない微妙な違いが生じます。
そのため、家族であっても同じハンコを2つ以上実印として登録することは不可能です。
手間に感じるかもしれませんが、個人を証明するセキュリティの観点から、各自で1本ずつ作ることが必要です。
変形しやすい印鑑
実印として登録するハンコは、文字などが変形しないものが条件です。
『ゴム印では登録できない』ことはよく知られていますが、プラスチック製のハンコも実印登録はできません。
ゴム印やプラスチック製のハンコは、使用中に削れたり曲がったりして変形します。
その結果、登録時とは異なる印影になり、正確な判断ができなくなってしまいます。
特に名前部分は、半永久的に変形しないハンコでなければ登録できません。
住民票に登録されていない名前
住民票に登録されていない名前のハンコは、実印として登録できません。
「そんな人がいるの?」と思うかもしれませんが、実は少なくありません。
例えば、会社経営者が肩書きを入れたハンコで実印登録を試みたり、名前以外のデザインが彫られていたりするケースがあります。
苗字だけ、名前だけの登録も可能ですが、住民票に記載されている名前以外は登録できませんので注意が必要です。
そのため、結婚などで苗字が変わった場合、実印も登録抹消され、新たに登録が必要となります。
実印を使用する可能性がある場合は、登録忘れに注意してください。
大量生産されている印鑑
大量生産されているハンコも、実印として登録することはできません。
現在では、百円ショップやディスカウントストアでもハンコが販売されていますが、これらのハンコは機械で大量に製造されており、広く流通しています。
大量生産されたハンコを実印にすると、トラブルが発生したり、知らないうちに犯罪に巻き込まれる危険性もあります。
そのため、実印として登録するには、手彫りなどで作られた偽造しにくいハンコがおすすめです。
重要な契約に使われる実印は、個人を証明する大切なアイテムです。
自分自身を守るためにも、大量生産されているハンコの使用は避けましょう。
「実印 印相体 良くない」を検索する人がよく思う疑問と回答4選
印相体のデメリットは?
印相体のデメリットは、文字が読みにくいことです。
独特な書体で彫られているため、偽造されにくいというメリットがありますが、それゆえに文字が一目でわかりづらく、実印として登録できないケースもあります。
印相体のハンコを作る際は、彫り直しに対応してくれるお店を選ぶと安心です。
実印は何体がいいですか?
実印には、印相体や篆書体がおすすめです。
これらの書体は、独自のデザインで偽造しにくいというメリットがあります。
重要な契約に使用する実印は、偽造防止の観点からこれらの書体を選ぶと安心感があります。
実印の印相体とは?
実印の印相体は、印鑑のために作られた独自の書体です。
見た目には読みにくく、八方に広がる書体から吉相体とも呼ばれます。
その独特なデザインにより、偽造されにくく、欠けにくいといった安全性と耐久性を備えたハンコで、実印に適しています。
実印は女性には必要ない?
実印は、女性にも必要です。
実印を使用する場面としては、不動産取引や住宅ローンの契約などがあり、一見すると女性には関係ないように思えるかもしれません。
しかし、遺産相続手続きなどでも必要となるため、性別に関係なく実印は必要です。
まとめ
今回は、実印の書体『印相体』や『篆書体』についてご紹介しました。
実印として印相体を使う人は多く、安全性が高く、耐久性のあるハンコを作ることができます。
書体に関係なく、実印は登録可能ですが、重要なハンコであるため、安全性の高い書体を選ぶことをおすすめします。
また、サイズが規定外だったり、印影が不明瞭だったりすると、実印として登録できない場合もあるので注意が必要です。
実印は非常に重要なハンコであり、性別を問わず必要ですので、まだ持っていない方はぜひ作成してみてくださいね。