「どうして自分はこんなにもプライドが高いのだろう?」と自問自答している方も多いかもしれません。
また、「プライドの高さは育ちに影響される」とも言われますが、実際のところはどうなのでしょうか?
今回は、プライドが高い人の育ちについて詳しく掘り下げていきます。
さらに、育ちが原因でプライドが高くなった場合の改善方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
プライドが高い人の育ちや家庭環境
プライドは、自分の弱さを守るために形成されるものです。
つまり、幼少期に何か辛い経験をすると、その心の傷が大人になっても自己防衛のためのプライドとして残ることがあります。
では、プライドが高い人は具体的にどのような環境で育ったのでしょうか?
ここでは、考えられる5つのケースを見ていきましょう。
1.親に叱られてばかりだった
プライドが高い人は、「親に自分を認めてもらえなかった」という心の傷を抱えていることが多いです。
子供の頃から親に何かと叱られることが多いと、自然と自己肯定感が低くなります。
大人になっても「自分は何をやってもダメだ」という思いが根底にあるため、他の人もそう思っているに違いないと考えてしまいます。
その結果、プライドというバリアを張って、自分を守ろうとするのです。
2.兄弟や親戚と比較されることが多かった
プライドが高い人の育ちとして、兄弟や親戚と頻繁に比較されて悔しい思いをした経験があるケースもあります。
「お兄ちゃんは勉強ができるのにお前は全然ダメだ」「いとこの〇〇ちゃんみたいに綺麗じゃない」など、大人が無意識に言った言葉でも子供の心には大きな傷を残します。
比較されて自信を失い、卑屈になることで、誰も信用できなくなりプライドが高まるのです。
3.親のプライドも高い
プライドの高い親に育てられると、子どものプライドも高くなるという説があります。
「親は子の鏡」と言いますが、親の行動や思考をそのまま受け継いで大人になる人は少なくありません。
親が無意識に自己防衛するタイプだと、一番身近にいる子どもはその影響を簡単に受けてしまうのです。
4.友人関係が上手くいかなかった
子どもの頃に友人関係がうまくいかなかった場合、「自分は人に受け入れてもらえない存在だ」という意識が心に残ります。
友達だと思っていた相手から仲間外れにされたり、人格を否定するような発言をされたりすると、完全に誰にも心を開けなくなることもあります。
その結果、プライドで自分を包み込み、刺々しい態度で人に接するようになってしまいます。
5.挫折を経験した
「手痛い失恋を経験した」「受験がうまくいかなかった」「部活で実力のなさを突きつけられた」といった経験を経て強さを身につけられる人もいれば、傷ついたまま大人になる人もいます。
後者の場合、もう二度と傷つきたくないという思いが高まり、自分を強く見せる、または有能に見せるためのプライドを保つのです。
育ちがプライドの高さに関係がある?ない?
プライドの高さは育ちに関係していると言われていますが、実際には「それとこれとは別問題」と考えている人もいます。
ここでは、育ちがプライドの高さに関係が「ある」人の意見と「ない」人の意見をそれぞれ見ていきましょう。
あなたの考えに近いものがあるか、ぜひチェックしてみてください。
「ある」人の意見
親の性格を受け継いでいる人が多い
プライドの高さに家庭環境や育ちが関わっていると考える人の中には、「親の性格を受け継いでいる人が多いから」という意見が多いです。
確かに「親が明るいと子どもも陽気」「親が真面目だと子どももしっかりしている」というパターンはよくあります。
友人や恋人がプライドの高いタイプだと、親に会った時に「やっぱり似るものだな」と納得する人も多いでしょう。
複雑な家庭環境の人は影がある
家庭環境が複雑な人は、どこか影がある印象だという声もあります。
プライドが高い人の中には、心の奥底に闇を抱えているようなタイプも多いため、「育ちが影響しているのだろうな」と感じさせます。
他にも「卑屈なタイプ」「皮肉屋」な人も、育った環境の影響があると思われがちです。
親に愛された人は基本的に自己肯定感が高い
親に十分愛されて育った人は、基本的に自己肯定感が高いです。
そのため、反対にプライドで自分を守っているタイプは、「親の愛情を十分に受けていなかった」と考えられがちです。
実際に、愛情不足の人は他人を受け入れないケースが多いので、家庭環境の影響は大きいと言えるでしょう。
「ない」人の意見
家庭環境が悪くても真っ直ぐな性格の人はいる
たとえ家庭環境が悪くても、真っ直ぐな性格の人は確かに存在します。
そのため、「育ちとプライドの高さは全く関係ない」という意見もあるのです。
若い頃から成熟していたタイプの人は、年齢に関係なく自分で様々な困難を乗り越えてきたのでしょう。
大人になってからプライドが高くなる人も多い
幼少期の経験よりも、大人になってからの体験の方がプライドの高さを構築しやすいという意見もあります。
社会に出て様々な経験を積む中で、人に傷つけられたり自信を失う出来事はいくらでもあるからでしょう。
実際に、若い頃は真っ直ぐな性格だったけれど、歳を重ねるごとにプライドが高くなる人もいます。
親を反面教師にするケースもある
親と子供の性格は似るから、親がプライドが高ければ子供もそうなるという意見もあります。
しかし中には親を反面教師としているケースもあり、一概に家庭環境が影響しているとは言えないのです。
親が気難しいからこそ、子どもは穏やかで優しくなるパターンも実際に少なくありません。
育ちが原因のプライドの高さの治し方
家庭環境や育ちが原因でプライドが高くなると、「一生この性格は治せない」と諦めてしまう人も多いでしょう。
しかし実際にはそんなことはなく、自分次第で少しずつでも性格を変えていくことができるのです。
では、育ちが原因のプライドの高さの治し方を5つ紹介します。
1.まず自分自身の気持ちと真正面から向き合う
育ちが原因のプライドの高さを治すには、自分自身の気持ちから目を逸らさずに真正面からしっかりと向き合うことが大切です。
「なぜプライドが高くなったのか」という原因を改めて見直すのは辛い作業ですが、そうしなければ自分の気持ちを整理することはできません。
また、「あの時は辛かった」と素直な思いを自分で受け止めることで、心がほぐれて穏やかさを手に入れられるでしょう。
2.親に自分の気持ちを素直に話す
「親に叱られてばかりだった」「親に他の子どもと比較されてばかりだった」などの経験があなたの中のプライドを育んでしまったのなら、親に自分の気持ちを素直に話すのも一つの方法です。
親といっても一人の人間なので完璧ではなく、子どもを深く傷つけていたことに気づいていないケースは案外多いものです。
「あの時こう言われたことが本当に辛かった」と本音を伝えれば、謝罪の言葉をもらえる可能性もあります。
そうすると、あなたの気持ちが楽になり、自分自身を肯定できるようになるでしょう。
3.信頼できる人に辛い心境を打ち明ける
あなたの身近にいる信頼できる人に、自分のプライドの高さに悩んでいる心境を打ち明けてみましょう。
相手は友人や恋人など、あなたが心から信用している人なら誰でも構いません。
どうしてプライドが高くなったのか、その原因も併せて伝えると、あなたのことを大事に思っている人なら一緒に今後どうすべきかを考えてくれます。
悩みを共有してくれる人がいるだけでも、自分を守るために固めたプライドはほぐれていくでしょう。
4.人との交流を避けない
育ちが原因でプライドが高くなった人は、無条件に他者へ不信感を抱いていることが多いです。
しかし、そのままでは自分の殻を破ることはできないので、人との交流はなるべく避けないようにしましょう。
コツとしては、「自分は人付き合いが苦手だ」と思い込まないことを意識することです。
5.ダメな部分を周りに見せることを習慣化する
どんな原因でプライドが高くなったにせよ、本来の自分を好きになれればその辛さは解消されます。
そのためには、思い切ってダメな部分を周りに見せることを習慣化してみましょう。
「こんな姿を見せたら皆に嫌われる」「絶対に引かれる」などと考えず、自分の欠点をさらけ出してみてください。
案外すんなり受け入れてもらえることも多く、そうなれば自分を肯定する気持ちも高まるでしょう。
まとめ
プライドが高い人の育ちは複雑なケースが多いです。
プライドが高い人すべてが幼少期の家庭環境が悪いとは言い切れませんが、確かに性格的に真っ直ぐではないタイプは複雑な育ちをしていることが多いでしょう。
子どもの頃に親に認めてもらえなかったり、友達との関係がうまくいかなかったりした人は、大人になっても傷が癒えず自分を守るためにプライドを高めてしまうのです。
しかし、自分自身の傷と向き合い、他人との関わり合いを恐れなければ、プライドを手放し素直になることは可能です。