まず簡単にまとめると、
- 山車（だし）：神様が訪れる場所として、また神様を迎えるための場所として用いられます。人々が乗ることも許されており、その移動は人の手によって引かれます。
- だんじり：特に関西地方で親しまれている山車の一形態で、地域によってその形や装飾に独自の特徴があります。
- 神輿（みこし／しんよ）：完全に神様専用の乗り物であり、人間の乗車は許されていません。その運搬は担ぎ手たちによってなされます。
この記事では、より詳しく解説していきます。
山車、だんじり、神輿のそれぞれの役割
日本の伝統的な祭りには、「山車（だし）」「だんじり」「神輿（みこし／しんよ）」といった特別な乗り物が登場します。
これらは神様との関わりを象徴する重要な役割を担っています。
山車、だんじり、神輿には、それぞれ異なる目的と機能があります。
山車（だし）：神様の一時的な宿り所としての重要性
山車は神様が一時的に降り立つ場所としての役割を果たします。
古来の神道の考え方では、神様は一か所に留まらず、必要に応じて一時的に滞在する場所が必要とされていました。この場所や物を「依代（よりしろ）」と呼びます。
祭りでは、山車が依代として使用され、神様の到来を待ちます。
美しい装飾は、神様の目印としての意味合いも持ち合わせています。
さらに、山車は神様をもてなすための場所としても機能します。
また、山車（だし）には地域ごとに異なる名称があり、だんじりもその中の一つです。
- だんじり：主に関西地方で使用される呼び名（例：岸和田だんじり祭）
- 曳き物（ひきもの）：東京の神田祭での呼称
- 山笠（やまがさ）：福岡市の博多祇園山笠などでの呼称
- 山鉾（やまぼこ）：京都市の祇園祭などでの呼称
神輿：神様のためだけの特別な乗り物
神輿は元々天皇が使っていた乗り物で、平安時代から神様専用として使用されるようになりました。
祭りでは、神社から御神体を神輿に乗せ、周辺を巡ります。
これにより、神様が直接人々の暮らしを見守ることができるのです。
山車の利用法と神輿の運搬方法
山車は神様をもてなす場として使用され、人々が乗ることも許されています。
祭りの山車での囃子演奏や踊りは、お祭りの一般的な風景です。
山車は通常引いて動かされますが、時には担がれることもあります。
一方、神輿は神様だけの乗り物で、神聖視されているため人の乗車は許されていません。
神輿には担ぎ棒があり、人々によって担がれて運ばれます。