家族や親族が亡くなった際、法要に出席することがよくあります。法要は、僧侶による読経と共に食事を伴う供養の儀式です。このような場では、どのような髪型が適切か、多くの人が迷うことでしょう。特に、法要に参列する前には、髪型や服装についての不安を解消しておきたいものです。そこで、ここでは法要でのふさわしい髪型やアクセサリーのエチケットについてご案内します。
法要での髪型のマナーと注意すべき点
まずは、法要における髪型のマナーと注意点についてお話しします。
法要の服装選び：準喪服と略喪服の違い
法要の際の服装として知っておきたいのが、準喪服と略喪服です。これらはフォーマル度によって区分けされていますが、実際には明確な違いはほとんどありません。
男性は、準喪服として礼服やブラックスーツを考えることが多いですが、略喪服も黒のスーツを指すため、基本的にどちらも間違いではありません。
女性の場合、準喪服と略喪服は共に「ブラックフォーマル」とされています。首元が詰まった長袖のワンピースやツーピース、アンサンブルなど、落ち着いた黒色でシンプルなデザインが一般的です。パンツスーツも選べますが、よりフォーマルな印象を与えるアンサンブルやツーピースが推奨されます。
法事における派手な髪色の対応方法
法事に出席する際は、ピンクなどの派手な髪色は控えるのが望ましいです。葬儀への参列が決まれば、美容院で髪を染めるか、市販のヘアスプレーで一時的に色を落ち着かせることをお勧めします。これらのスプレーはドラッグストアで手軽に入手できます。ただし、落ち着いた茶色など、目立たない色であればそのままでも大丈夫です。いずれにしても、清潔感を保った髪型を意識することが重要です。
法事でのヘアアクセサリー選びとそのマナー
ヘアアクセサリーは、シンプルで控えめなものを選ぶのが良いでしょう。アクセサリーや小物、ストッキング、靴はすべて黒で統一するのが法事の服装マナーです。派手な装いは避け、地味なスタイルを心がけましょう。法事はファッションを楽しむ場ではなく、清潔感と落ち着きを大切にするべきです。和装での参列の場合は、結婚指輪以外のアクセサリーは避けるのが一般的ですが、洋装を選んだ場合は、真珠のネックレスやイヤリングが適切です。真珠は悲しみを象徴し、控えめな印象を与えるため、法事にふさわしいとされています。真珠のネックレスを選ぶ際は、1連のショートタイプが望ましく、デザインは控えめなものを選びましょう。2連以上やロングタイプは避けるべきです。真珠の色は、黒やグレー、白が適しており、特に黒真珠は40代以上の方にお勧めです。
女性のための法事向けヘアスタイル提案
法事に適した女性の髪型について、いくつかの提案をします。
何より大切なのは、髪の長さにかかわらず、清潔感を保つことです。法事は故人を偲ぶ場なので、派手なスタイルや流行を追う必要はありません。どんな髪の長さでも、前髪が顔にかからないようにするのが基本です。特に目にかかる前髪は避け、清潔感を保ちましょう。長い髪はまとめるかピンで留め、短い髪は耳にかけると良いでしょう。前髪が崩れず、整った状態を保つことが大切です。
ショート・ボブスタイルについて
ショートヘアやボブスタイルの女性は、そのまま参列しても問題ありませんが、法事では顔に髪がかからないスタイルが望ましいです。ショートヘアはヘアピンで固定するか、適量のワックスで整えることがおすすめです。ワックスの量に注意し、清潔感のある髪型にしましょう。特に固定する必要がなければ、ドライヤーで軽く整えるだけで十分です。櫛で髪を丁寧に整えることで、清潔感がアップします。
セミロング・ミディアムスタイルについて
セミロングやミディアムの髪型の場合、髪をまとめるのが難しいので、サイドの髪をピンで留めるのが良いでしょう。髪が顔にかからないように後ろに流し、整った印象を保ちます。お辞儀をするときに髪が乱れないよう、事前にチェックすることをお勧めします。セミロングのハーフアップスタイルは動きのある毛先が華やかすぎるため、法事では控えめなスタイルが望ましいです。
ロングヘアのスタイルについて
次に、長髪の女性向けのヘアスタイルについて取り上げます。
長髪の方々には髪を結ふスタイルをオススメします。その方が清潔感を保つことができますからね。
髪を結ふ方法としては、「お団子」が良いですよ。ただ、耳以上に髪を集めてしまうと、子供っぽく華々しさが強調されてしまうので注意してください。
基本的には、髪を後ろでまとめるスタイルが最適です。
派手になりがちな編み込みスタイルは避けた方が良いでしょう。
ピグテールやその他の少女チックなスタイルも不適切だと思われます。
また、格式張った場などでは、ふっくらとしたボリューム感のあるパーマスタイルは避けたほうが良いとされています。
コテを使って、出来るだけストレートにするか、髪を1つにまとめてパーマが目立たないようにすると良いでしょう。
「夜会巻き」などの豪華なヘアスタイルも避けるべきです。
髪を耳より下でまとめるのも良い方法ですね。シニヨンスタイルにこだわる場合は、まとめる部分を低めにし、地味さを保つように心掛けましょう。
法事の際の男性向けヘアスタイル
次に、男性に最適な法事のヘアスタイルについて解説します。
髪の色
最初に、髪の色についてです。もし自身が髪を染めている場合は、その色がどれだけ派手であるかを確認することが大切です。
暗目のブラウンなら、そのままでも問題ないでしょう。
しかし、明るいブランや、赤や緑や紫などの派手な髪の色、金髪の場合は、美容室で暗めの色に染め直すことを推奨します。
美容院に行く時間がない場合は、ヘアカラースプレー等を用いて、一時的にでも自然な色に戻すことをおすすめします。
全ての髪を黒にする必要はありません。
大事なのは、派手さを避けて自然な色を保つことですよ。
ヘアアレンジのツール
ヘアスタイリング製品、例えばワックスの使用を考えてみましょう。適度な使用であれば、問題はありません。
ただし、髪がピカピカになりすぎてしまうのは好ましくないため、つけすぎには気をつけましょう。
法事に参加する際は、派手さを控え、落ち着いた雰囲気を心掛けてください。ワックス使用時も、髪型が派手になりすぎないよう、控えめにつけることが重要です。
カッコつけた髪型や髪の毛を立てたりといったスタイリングは、見た目も派手になってしまいますので、ふんわりとした整った髪型にするだけで十分です。
ショートカット
ショートヘアの場合、前髪は目に触れない長さにすることが重要です。
目と目が合ったときに一番に見る前髪は、周りからの印象をガラリと変えるポイントになるからです。
法事に出席する際の長い前髪は、相手に不快感を与えてしまう可能性があるため避けましょう。
前髪を整えるには短くカットするか、それが難しい場合はワックスやジェルで流すようにし、おでこや眉まで見えるように調節しましょう。
ただし、ワックスは適度につけ、髪が光りすぎないように注意が必要です。
クリーンな印象を持つ髪型といえば、七三分けを思い浮かべますよね。
髪の長さにより、七三分けにするのが難しいかもしれませんが、それでも七三分けを意識すると良いと思います。
ロングヘア
髪が長い方は、法事に参加するためだけに無理矢理髪を切る必要はないです。
でも、長髪のまま参列するなら、前髪が目にかからないように注意しましょう。
例えば、ワックスやジェルを軽くつけてオールバックにしたり、後ろ髪を一つにまとめるなど、見た目をすっきりとさせる工夫が必要です。
男性のロングヘアは派手に見えがちなので、可能な限りシンプルに、地味にまとめることを心掛けましょう。
パーマをかけている方へのアドバイス
パーマの場合、ワックスやジェルを使ってストレート風にまとめると良いでしょう。パーマは自然と華やかさを放つので、その鮮やかさを少し落とすようにセットしましょう。
法事は自己アピールをする場ではなく、清潔感が求められる場所です。
具体的に言うと、髪がきちんと手入れされ、乱れていない状態にしておくこと、そしてラフさを避けることが大切です。
強い香りやベタつく髪はもちろん避けてください。
長い髪の方は、美容院で髪を切り毛先を整え、清潔な印象を保つと良いです。
また、ひげも同様にすべきです。無精ひげはきれいに剃り上げること、普段ひげを生やしているのであれば整えることが大切です。
髪型だけでなく、派手すぎない服装にし、落ち着いたスタイルを保つべきです。
法事での子供向けヘアスタイルの提案
次に、子供にふさわしい法事でのヘアスタイルを紹介します。
基本として、自然でシンプルなスタイルが良いでしょう。ただし、寝ぐせの有る髪や目にかかる髪は、注意が必要です。
大切なのは、清潔感のある髪型を選ぶことです。
特に、お焼香の際に髪の毛が邪魔にならないよう、長い髪はまとめると良いでしょう。
女の子の髪型のポイント
女の子の場合も、大人ほどフォーマルにする必要はありませんが、法事を意識した清潔な髪型にすることを忘れないでください。
髪が長い場合、耳より下でシンプルに束ねることをおすすめします。
乱れやすい髪や、お辞儀の際に顔に髪がかかることは避けましょう。
黒いヘアピンやゴムでしっかりと固定し、髪型を保つことが大切です。
また、三つ編みは崩れにくく清潔感があるので、特におすすめです。
ただし、あまり華やかさを強調しないようにすることを忘れないでください。
男の子のための髪型及びスタイリング
男の子は、髪の乱れを的確に修正し、前髪や後ろの髪の長さを調節する程度で充分です。
成人男性と比較して特別な髪形にこだわる必要はありません。寝起きの髪の毛が乱れていたとしても、出掛ける前に丁寧に整えましょう。
その上で、清潔さを表現する髪型を保つことが重要です。
前髪や後ろの髪が長い場合は、切ってから整えると好印象を持たれるでしょう。
ヘアワックスやジェルについては、使用量を控えめにし、自然なスタイルを保つことが肝心です。過度のスタイリングは子供らしさを失わせ、違和感を与えてしまいます。
また、アクセサリーに関しては、法事という状況を考慮し、華美さを控えることが重要です。
不必要なアンクレットは避け、バレッタなどは黒いものを選択しましょう。
バッグを持つときは、派手さや金具が無いものを選び、地味なデザインのものが良いでしょう。
参列時のヘアアクセサリーに関して
法事に参加する際のヘアアクセサリーについてもご紹介しましょう。
多くの方が法事に参加する時にヘアアクセサリーを何を選べばよいか、またマナー違反にならないかを悩んでいることでしょう。
お団子ネットの使用は構わないか？
最初にお団子ネットの使用について検討しましょう。
ロングヘアの所有者にとって、お団子スタイルは頼りのヘアスタイルです。
しかし、髪の毛が多い場合、固定するのが難しいことがあります。そのため、終日、まとまった髪型をキープするのが一苦労です。
お団子ネットを使う事で、これらの問題を解消できます。
お団子ネットは髪をきれいにまとめ、崩れを防ぎます。使いやすいアイテムの一つでしょう。
多くの種類が黒色で、髪の色とマッチして目立たないので、法事でも使用できます。
シュシュやバレッタ、使用可能？
次に、シュシュやバレッタを使うことについて触れてみましょう。
シュシュは、普通に考えて、華美すぎて許容範囲を超えるだろう、と見なされています。
しかし、特別にデザインされていない黒基調のシュシュについては、見方によは大丈夫と思う人もいます。
法事といった場では、過度に目立ってしまうのでなければ使っても構わないとの認識です。だから、ぱっと見て目立たない黒のシュシュならば問題なしと、多くの人が感じています。
ただし、やはりシュシュ自体がカジュアルな雰囲気を醸し出すものなので、公の場においては慎重になった方がいいでしょう。
家族だけが参列する、あまり形式にこだわらない状況なら、使い方を工夫すれば問題ないとされています。
バレッタについても、単純な黒色のものであれば使用は許されます。
だけど、バレッタはデザイン次第で贅沢な印象になってしまう可能性があるため、地味さを意識した選択を心掛けましょう。
光沢感があるものや、輝く色合いのものは選ばないようにしましょう。
カチューシャとトーク帽、どちらもNG
さらに、カチューシャやトーク帽の使用について確認しましょう。
最初に、カチューシャは通常不適切とされています。
確かに、カチューシャはサイドの髪をしっかりとまとめてくれるので便利ですが、カジュアルさと華やかさから、不適切とされることが。
結婚式など他の公式な場でも、同様に使用を避けた方が優れています。
法事のような公的な場に参加するときには、カチューシャは使用しない方が無難です。
親戚だけで、比較的緩やかな雰囲気の場合は、黒くて光沢のないデザインのものであれば目立つことはないので、問題ないとされています。
トーク帽は欧米の映画などで見かける、つばがない小さな帽子で、女性の葬式のための帽子です。
ただしこのトーク帽については、遺族や親族が正式な服装（正喪服）として着用するものなので、一般の参列者がかぶると適切ではありません。
遺族に対する敬意を表すため、参列者はトーク帽を着用せず、略喪服と呼ばれる黒いスーツやアンサンブルを選ぶべきです。
ただし、トーク帽を着用する場合は、式中も脱がずに、黒の手袋と共に着用するのが一般的です。
まとめ
この記事では、法事に参列する際のヘアスタイルやアクセサリーについて説明しました。
法事の際の髪型は、整然とした清潔感のあるスタイルが最適とされています。
フォーマルな場ということで、前髪が顔にかかるような状況は避け、ヘアピンやワックスを使って整えることが推奨されます。
アクセサリーについては、大きなものやきらびやかなものを避け、黒や深い色のソフトなデザインのものを選ぶと良いでしょう。
法事に参列すべき時に、髪型やアクセサリーが適切か確認することが重要です。
基本的な知識を心に留めておけば、適切に法事に参加することが可能です。