「パートを辞めたいけど、どうしたらいいのかな?」や「こんな風に進めても問題ないの?」と、退職の進め方に頭を悩ませている方もいるかもしれませんね。
一度退職を決意したら、次はできるだけスムーズに、そしてトラブルなく仕事を辞めたいですよね。パートを辞めるときは、適切な手順をしっかり踏むことが、とっても大切です。無駄なトラブルを避けるためにも、辞めることを決めたら、計画を立てて準備を始めましょう。
この記事では、パートの退職に向けてのステップを、わかりやすくご紹介していきます。
さらに、スムーズに辞めるためのコツや、知っておくと便利な情報もピックアップしました。
パートの辞め方や、円滑に退職したいなら、この記事がきっと役立ちますよ。
パートを上手に辞めるステップをご紹介!
パートを辞める手続き、一つひとつ丁寧に解説していきます。
円滑な退職を目指すには、社会人としてのマナーを守り、計画的に事を進めることが重要です!
パートを辞めるベストなタイミングは?
パートを辞める決心をしたら、まずは上司にその旨を伝えることからスタートです。
一般的には、辞めたいと思っている日の1ヶ月前には、その意向を伝えるのがベストとされています。そうすることで、ほとんどの場合は問題なく進めることができますよ。
でも、「もっと早く辞めたい!」や「法律で定められている退職のルールを知りたい!」と思う方もいるかもしれませんね。
その際にまず確認してほしいのが、雇用契約書です。
契約が無期か有期かをチェックしてみましょう。
退職に関する法律の基本はこんな感じです。
- 無期契約(契約期間の定めなし)…退職希望日の14日前までに意思を伝えれば退職が可能です。
※ただし、雇用契約書で退職の申し出期間が定められている場合は、その期間を守ることでスムーズに辞められます。 - 有期契約(契約期間の定めあり)…原則として、契約期間中の退職は認められませんが、特別な理由があれば退職が可能です。
有期契約でも、法律で「特別な事情がある場合は契約を直ちに解除できる」と定められています。特別な事情としては、
- 家族の介護や病気の看護
- 引越し
- 自身の健康問題
- 出産や育児による仕事の難しさ
などがあります。これらの事情があれば、退職が認められやすいです。
それでも、急に辞めると同僚に負担がかかることもあるので、できるだけ1ヶ月前には辞める意向を伝え、スムーズな移行を心がけましょうね。
パートのお辞め方のコツと話の切り出し方
上司への退職の伝え方は、ちょっぴり勇気がいるし、緊張もしますよね。
退職の話を始める際には、以下の3つのポイントを意識してみてくださいね。
- 直接の上司にまず伝えること
- 二人でゆっくり話せる時間を作ってもらうこと
- 業務が終わった後の時間に話を持ちかけること
退職の意志は、直接、上司に面と向かって伝えるのがベストです。
退職の話をする時は、突然その話題から入るのではなく、最初に「ちょっとお時間をいただけますか」と、二人きりで話せる機会を設けてもらうようにしましょう。
話をするタイミングは、できれば業務時間が終わった後がいいですね。それは、「退職の話はプライベートなことだから、仕事の時間にするものではない」と考える上司もいるからです。忙しくない時間帯や仕事が終わってから話を切り出すことをおすすめします。それが難しければ、休憩時間を利用するのもアリですよ。
そうすると、上司もその場で話を聞いてくれたり、別の時間を設けてくれたりするかもしれません。
パートを辞めたいと伝える時は、
- 辞めたいという意思をはっきりと伝えること
- 感謝の気持ちを忘れずに伝えること
この2つを心がけてみてくださいね。
退職の意向と、いつ辞めたいかはしっかりと伝えておかないと、引き留められたり、思わぬトラブルが起こるかもしれません。ぼんやりとした表現は避けてくださいね。
そして、自分の退職の意志をはっきり伝えつつも、「申し訳ありませんが…」「お世話になりました」といったお詫びや感謝の言葉を一緒に伝えると、良いですよ。自分の気持ちばかりを強く主張すると、上司も良い気持ちにはならないものです。
退職を伝える際には、謙虚な姿勢と、礼儀正しい言葉遣いで伝えることが大切です。パートを辞めたいと思った時、直接上司に話すのが普通ですが、「電話やメールで伝えたらどうかな?」と思うこともあるかもしれませんね。
上司との面談の約束をするために連絡を取ることは問題ありませんが、基本的には退職の意思を電話やメールで伝えるのは避けましょう。
退職の手続きや流れの確認
上司に退職の意向を伝え、了承を得たら、次にやるべきことは、自分の希望と上司の意向をしっかり合わせて、退職日を決めることです。退職日はしっかりと確定させておくことで、後々のトラブルを避けられます。
そして、退職の手続きや必要な書類の確認も忘れずに行いましょう。
退職にあたって必要な書類として思い浮かぶのは、退職願や退職届かもしれませんが、パートの場合はそれらを提出する必要がないこともあります。
それでも、会社によっては退職願や退職届の提出を求められることもあるので、そういった指示があれば従いましょう。何も言われなければ、念のために提出が必要かどうかを確認しておくと安心ですよ。
有給休暇の賢い使い方
退職を考えている時期になったら、残っている有給休暇は積極的に使ってみましょう。迷惑をかけずに上手に調整すれば、退職後の有給消化は全然問題ないんですよ。
もし「自分がいくつ有給を持っているかわからない」という場合は、こんな方法でチェックしてみてください。
- 人事部や給料を計算してくれる部署に直接聞いてみる
- 給与明細で確認する
給与明細に有給休暇の取得状況が載っていることもあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
「退職前に有給をどうやって使い切るかな?」と考えたときには、こんな選択肢がありますよ。
- 最終勤務日の後でまとめて取る…最後の出勤日の後から有給を使って、最終的に有給がなくなる日を退職日にする
- シフトを少しずつ調整して取る…例えば、週3日から週2日にしてもらって、残り1日を有給で補う
- すでにあるお休みの日に重ねて取る…普段からの休日に有給を使う
どの方法が最良かは一概には言えませんので、自分に合った方法を選んでくださいね。
退職日は感謝の挨拶を忘れずに
パートの最終日には、きちんと印象を残すために、感謝の挨拶をするのが大事です。
わざわざ難しい言葉を使う必要はなく、素直に感謝の気持ちを伝えられれば大丈夫。ネガティブなことは言わずに、感謝の気持ちをシンプルに伝えましょう。
直接会って挨拶するのが一番ですが、社外の人やなかなか会えない人には、メールで挨拶を送ってもいいですよ。
「挨拶するべきかな?」と迷ったら、ぜひ挨拶をしてみてください。無理に大げさにする必要はありませんが、最後にちゃんと挨拶をすると、スッキリして退職できますよ。お礼の品やお菓子を用意する人もいますが、それもいいアイデアです。渡すか迷ったら、受け取る側が嫌な気持ちになることは少ないので、オススメします。ただし、在籍期間が短かったり、本心から渡したくなければ、無理に渡す必要はありません。
お礼の品やお菓子を渡すなら、最後の出勤日の帰りにするのが一般的。直属の上司やチームリーダーに「皆さんでどうぞ」と直接渡すか、少し言葉を添えて休憩スペースに置いておくのがいいですね。
お菓子を選ぶときのポイントはこんな感じです。
- 一人当たりのコストは100円から200円程度、全体で2000円から3000円くらいが目安
- 個包装されているもの
- 賞味期限が長いもの
- 好き嫌いが少ないもの
そして、特にお世話になった人には、個別に感謝の気持ちを込めたプレゼントを渡すのも素敵ですよ。ただし、相手に負担にならないような、適度な価格の消耗品や実用品がおすすめです。
円満なパート退職の秘訣
パートを辞める時は、できるだけスムーズに、みんなが納得するような形で終わりたいですよね。
ここでは、円満退職を目指すための理由や、注意したい点をいくつか紹介します。
円滑にパートを辞める時の退職理由の選び方
パートを辞める理由は人によって様々ですが、やっぱりスムーズに、できるだけ円満に辞めたいですよね。
時には、「本当の理由を伝えるべきか、それとも別の理由を考えた方がいいのかな」と悩むこともあるかもしれません。
できるだけ素直に退職理由を伝えるのが一番ですが、伝え方によっては少し控えた方がいい理由もあるんです。
例えば、「職場での人間関係に悩んでいる」や「職場環境に満足していない」という理由の場合、「改善するから辞めないで」と引き留められる可能性があります。もし、もう辞めると決めているなら、そうなると困りますよね。
引き留められたくない時は、「納得してもらえる、引き留めにくい理由」を上手に選ぶことも大切です。そんな時に便利なのが、「家庭の事情」という一般的で受け入れられやすい理由です。
「家庭の事情」としては、例えばこんな理由が考えられます。
- 家族の介護が始まった
- 子育てと仕事の両立が難しい
- 配偶者の仕事の都合でサポートが必要になった
これらを理由にする時は、自分の状況や悩みに近い内容を選ぶと、もし詳しく聞かれても説明しやすいですね。
退職の本当の理由を言いにくい時でも活用できるので、円満にパートを辞めたいときは、ぜひ参考にしてみてください。
退職を引き留められた時の上手な対応方法
前述したように、パートの退職を伝えた時に引き留められることがあります。
基本的には、退職したいと思ったら、それを実行する権利は本人にありますから、引き留められても従う必要はないんです。
でも、ただ「無理です」と言ってしまうと、何だか後味が悪かったり、もめる原因になったりすることも。だからと言って、そう簡単にうまくいくとは限りませんよね。
だから、最初から引き留められないようにうまく伝えることが大事です。
そこで気を付けたいのは、こんなポイントです。
- 退職を早めに、そしてはっきりと伝えること(退職希望の1ヶ月前が目安です)
- 引き留められにくい理由をしっかり伝えること
- 退職の意志をはっきりと、でも礼儀正しく伝えること
- 忙しい時期を避けて退職すること
それでも引き留められてしまう場合は、「退職日まではしっかり働きます」とか「引き継ぎはきちんと行います」といった具体的なことを伝えて、理解してもらえるように努めましょう。
退職することを同僚にはどう伝える?
上司にはもう退職の意向を伝えたけれど、同僚たちにはどう話そうかなと思っている方も多いですよね。
同僚に退職のことを話すのにベストなタイミングは、上司との間で退職日がしっかり決まった後です。上司に話す前や、上司との話し合いがまだ進行中で退職日が定まっていない時に同僚に話してしまうのはNGです。退職の噂が先走ってしまい、それが上司に伝わる前に広まるのは避けたいですよね。
もし退職日が決まったけれど、上司から「まだ他の人には話さないでほしい」と言われたら、その指示に従いましょう。同僚には申し訳ない気持ちになるかもしれませんが、会社側には会社側の考えがあるわけですから、それには理解を示しましょう。
同僚に退職することを伝える際には、こんな点に注意してみてください。
- ありがとうという感謝の気持ちを伝える
- 会社や上司への不満は話さないようにする
- 退職後の計画や次の転職先について詳しく話さない
退職をすることで、どうしても同僚には迷惑をかけてしまうかもしれません。ですから、退職を伝える時には「いつも支えてくれて本当にありがとう」と感謝の気持ちを伝えられると、より良いですね。
そして、会社や上司に対する不満を同僚にぶつけるのは避けた方が良いでしょう。同僚も引き続きそこで働くわけですし、不満を聞かされても困るだけです。話が他に漏れてしまうこともあるので、特に退職間近はそうした話は控えるのが賢明です。
仲の良い同僚だからと言っても、退職するこのタイミングでは、会社の悪口や不満は控えめにしておきましょう。
周りの目が気になるかもしれませんが、実はそんなに周りは気にしていないものです。人手不足で辞めることに罪悪感を感じるかもしれませんが、最後は自分の人生です。必要な引き継ぎをきちんと行い、最後まで自分の仕事に集中しましょう。
少し気まずさを感じることがあるかもしれませんが、それにとらわれず、いつも通りに過ごすことが大切です。
パワハラを理由に退職する際の注意点
パワハラが原因で仕事を辞めたいと感じた時、その事実を退職理由として伝えるべきか、それとも黙って辞めるべきか、迷うことがあるかもしれませんね。
黙って辞めるのが心残りに感じることもあるでしょうし、パワハラを公にして辞めたくなる気持ちも理解できます。
ただ、可能であれば黙って辞めることをおすすめしますよ。
パワハラを公にすることのデメリットは、メリットを上回る場合が多いんです。確かに、周りに事実を知ってもらえればスッキリするかもしれませんが、それ以上に、パワハラをした人から恨みを買って仕返しを受けるリスクや、退職までの間、職場で気まずい思いをする可能性が高くなります。
パワハラを明かさずに退職することは、悔しいかもしれませんが、「早くこの状況から抜け出したい」「もう関わりたくない」と思うなら、黙っている方がスムーズに事を進められます。困難な状況からは、別の理由を挙げて、早めに職場を離れるのが賢明です。
パートを辞める時に気をつけたいこと
パートを辞める準備を進めるうちに、「これって大丈夫かな?」と気になることも出てくるでしょう。
ここでは、パートを辞める際に知っておきたいポイントをいくつかご紹介します。
パート退職時の損害賠償請求はどんな時?
パートを辞める時に損害賠償を請求される可能性があるのは、以下のようなケースです。
- 無断で仕事を休んだ時
- 突然仕事を辞めた時
- 業務のミスで会社に損害を与えた時
ですが、実際には損害賠償を請求されることはほとんどないので、あまり心配しなくても大丈夫ですよ。
損害賠償の請求には法律上、厳しい制限がありますし、通常、大きな問題がない限り請求されることはありません。
万が一、会社から損害賠償を請求されても、パート側が支払いを拒否すれば、裁判になることが考えられます。しかし、裁判となれば、企業にとっても多くのデメリットがあり、実際に裁判に持ち込むことは稀です。
裁判にかかる費用や時間、労力を考慮すれば、企業がパート一人の退職問題で損害賠償を追求するメリットはほぼないと言えるでしょう。さらに、企業のイメージダウンや風評被害など、裁判を避けたい理由はたくさんあります。
ですので、パートを辞めることで損害賠償を請求されることはめったにないと考えていいでしょう。
ただし、全くないわけではないので、パートを辞める時には、無断欠勤を避け、できるだけ早めに退職の意志を伝えて、問題なく職場を去るようにしましょうね。
失業給付を受け取るための条件とは?
職を失った時、失業給付金をもらうことができるかもしれません。そのためにはいくつかの条件があります。
- 雇用保険に加入していることが必要です。
- 失業給付の受給資格があることも重要です。
雇用保険への加入は、週20時間以上の勤務で、かつ31日以上働く見込みがある場合に適用されます(契約上の労働時間が基準です)。
自分が雇用保険に加入しているかどうかは、給与明細をチェックしてみてください。給与から雇用保険料が引かれていれば、加入している証拠になります。
失業給付を受けるための条件としては、「失業状態」にあること、つまり仕事を探しているけれど見つからない状態であること、そして、退職日から過去2年間で12ヶ月以上雇用保険に加入していたことが求められます(退職理由に応じて、過去1年間で6ヶ月以上の加入でも条件を満たす場合があります)。
失業給付金の額や受給期間は個人によって異なりますので、自分の状況をもとに受け取れる金額をチェックしてみてください。
パートを辞めたいけれど辞めさせてもらえない時の対応策
「パートを辞めたいのに辞めさせてもらえない…」「パートを辞める上で何か問題がある」と感じる時、どこか相談できる場所があると安心ですよね。
ただ、いきなり外部に相談してしまうとトラブルの原因になることもあるため、最初に会社内で相談できる人を探すことが大事です。相談するなら、まずは社内の人から始めましょう。
社内での相談方法は、こんな流れです。
- 直属の上司に数回にわたって退職の話を持ちかけてみましょう。これは、辞めたいという意向をしっかり伝えた証拠を作るためです。
- 直属の上司から進展がない場合は、その上の上司に相談します。直属の上司に何度も話したけれど、退職が認められない状況を伝えます。
- それでもダメなら、さらに上の上司や人事部へ相談してみましょう。
働く人には仕事を辞める権利があります。正しい手順を踏めば、社内でうまく解決できることが多いですよ。
でも、特に小規模な会社だと解決が難しい場合もありますよね。そんな時は、外部の相談窓口を利用するのも一つの手です。
外部で相談できる場所としては、
- 労働基準監督署
- 総合労働相談コーナー
- 日本労働組合連合会(連合)の相
談窓口
- 弁護士事務所
などがあります。特に労働基準監督署はパートの相談も受け付けています。ただし、労基署が直接企業に介入することは少ないですが、法的なアドバイスを得ることはできます。社内で解決できない場合は、労基署に相談してみるのも良いでしょう。アドバイスをもらえるということで利用するのが良いですね。
まとめ:パートを辞める時のスムーズな進め方
パートを辞めたいと思った時、どのように進めれば良いかは以下のステップで考えてみましょう。
- まずは退職の意志を会社に伝えることから始めます。
- その後、退職日について話し合い、退職に必要な手続きや今後の流れを確認します。
- 有給の利用や仕事の引き継ぎも大切なポイントです。
- 最後の出勤日には、挨拶とともにお礼の気持ちを表すための菓子折りを準備するのも良いでしょう。
パートから円満に退職するためには、これらの手順をしっかりと踏むことが大切です。退職をスムーズに進めるためには、会社のルールを守りつつ、退職の意志をはっきりと伝えることが重要です。また、退職理由も、できればトラブルにならないよう慎重に選んで伝えましょう。
この記事では、パートを辞める際に知っておきたい「損害賠償の可能性」「失業保険の詳細」「退職が認められない時の相談先」についても詳しくご紹介しています。
パートを辞めたいと考えている方が、トラブルなく職場を去ることができるように、この情報が役立てば幸いです。円満な退職を目指して、一歩一歩進めていきましょう!