バスケットボールのゴールの寸法には特別な基準が設けられていますが、一般的にはあまり知られていないかもしれません。
学校のスポーツ活動においても広く行われるバスケットボールは、特に国際大会などが話題になることも多く、長い間愛され続けているスポーツです。
意外と知られていない事実ですが、バスケットリングの高さやバックボードのサイズなどの具体的な寸法が存在しています。また、これらの高さが設定された背後には興味深い歴史があります。
この記事では、正式に定められたバスケットゴールの高さやその他の寸法について、詳しくご紹介します。
バスケットボールゴールの正規寸法
公式バスケットボールゲームで用いられるゴールのリングの高さやバックボードとリングの寸法は以下の通りです。
- バスケットリングの高さ：通常公式 305cm ジュニアリーグ 260cm
- バックボードの寸法：横幅180cm×高さ105cm（厚さ20mm～30mm）
- リングの直径：45cm（内径45cm、外径48.5cm）
一般には中学生以上から通常の公式サイズが用いられます。
バスケットリングの高さの違い
通常公式のバスケットリングの高さは305cm、ジュニアリーグでは45cm低い260cmに設定されています。
小学校では主にジュニアリーグの高さが用いられますが、中学校以上では通常の公式高さが採用されることが一般的です。
最近では、一部の小学校で305cmのゴールが設置されている例も見られますが、小学生の身長を考慮すると260cmのジュニアリーグが主流です。
中学生になると、プロと同じ高さのゴールに挑戦することになりますが、45cmの増加は初めは大きな挑戦となるでしょう。段階的に高さを調節できるゴールもあり、徐々に慣れることが大切です。
バックボードのサイズと特徴
バスケットボールで使われるバックボードのサイズは横幅180cm、高さ105cm（厚さ20mm～30mm）と決められています。
バックボードの内側にある四角形は「ウインドウ」と称され、そのサイズは幅59cm、高さ45cmに設定されています。
バックボードに使われる素材としては、紫外線や雨に強いポリカーボネートと、軽量かつ丈夫な強化プラスチックの2種類があります。ポリカーボネート製は高品質なモデルに用いられることが多いです。
また、バスケットボールが始まった当初はバックボードは存在せず、観客の干渉を避けるために後に追加されたとされています。これは、観客がリングの後ろからボールを操作し、シュートを妨げる事態が頻発したためです。
このように、バスケットボールのゴールの寸法やその構造には、実は非常に深い歴史と理由があるのです。スポーツをより深く理解するためにも、これらの知識は非常に興味深いものと言えるでしょう。
バスケットゴールのリングの寸法について
バスケットボールのゴールリングは、ジュニアリーグでも一般公式競技でも共通して45cm（内径45cm、外径48.5cm）とされています。
加えて、公式ルールではリングは鋼鉄製で、その直径は最小16mm、最大20mm、リングの内周からバックボード表面までの距離は151mmというように、細かな規定が設けられており、これらはジュニアリーグと一般公式の両方で適用されます。
一般に使用される7号ボール（約24cm）と比較すると、リングは2個分少し小さく、ジュニアリーグで使われる5号ボール（約22cm）だとほぼ2個分の大きさになります。
リングのサイズを考えると、一見大きく思えますが、ゴールの高さを考慮するとシュートを決めるのはそれほど容易ではありません。そのため、NBAなどの大会ではシュートがしやすいように、通常よりも小さいボールを使用することがあります。
バスケットゴールの高さが決められた背景
バスケットボールのゴールの高さは、このスポーツが始まったときから一貫して305cmとされています。
この高さは、バスケットボールが最初に行われた体育館の2階席にゴールを設置した際、床からの高さがちょうど305cmだったため、この数値が公式ルールとして採用されました。
また、当時の目的はできるだけ得点を入れにくくすることであり、ゴールを設置できる最高限界が305cmだったとも伝えられています。
当時は成人を対象としたスポーツとされており、ジュニア向けのリングの高さの規定はまだ設けられていませんでした。
ジュニアリーグは、子供たちの体格や体力に合わせて、通常よりも小さいボール、狭いコート、低いゴールを用いるようになりました。
バスケットゴールの高さ、フィート単位で考える
バスケットゴールの高さをフィート単位に換算すると、一般公式の305cmは約10フィート、ジュニアリーグの260cmは約8.5フィートになります。
メートル法では305cmは中途半端に見えるかもしれませんが、ヤード・ポンド法では10フィートという綺麗な数字になります。アメリカがこのスポーツの発祥地であることを考えると、10フィートという高さが採用されたことには意味があります。
▼フィートという単位について詳しくはこちら
中学生と高校生のバスケットゴールの高さ
中学生以上になると、バスケットボールのゴールの高さは一般公式の305cmに統一されます。これは中学生と高校生の間でゴールの高さが同じであることを意味します。
しかし、中学1年生にとっては、小学校時代に使用していたミニバスのゴールから45cmも高い305cmのゴールに切り替わるため、シュートを決めるのがより難しくなります。
その結果、初めはゴールの高さを少し低めに設定し、徐々に公式の高さまで上げていく、または軽いボールを使用して練習するなど、選手が新しい高さに順応するための工夫が求められます。
これにより、プレイヤーは技術を向上させる機会を得ることができるのです。
バスケットボールのゴール高さ：男女での違いは？
バスケットボールでのゴール高さに性別による差はないのかという疑問に対し、「いいえ」と答えます。男女問わず、公式ルールによるゴールの高さは同じ305cmです。
男女間での体格差があるにもかかわらず、この一定の高さがシュート技術に影響を及ぼす場合があります。この差はジャンプ力や機敏さでカバーされることが多いです。
ただし、バスケットボールのサイズは男女で異なるため、この点については後ほど詳述します。
NBAのバスケットリング高さは標準と同じ？
NBAでのバスケットリングの高さは10フィート（305cm）とされていますが、実際はフィートを基準としているため、正確には304.8cmになります。
一方、FIBAではメートル法を使用し305cmと定めており、微妙に0.2cmの差があります。
この差が実際の試合にどの程度影響するかは不明ですが、経験豊富なプロ選手ならこのわずかな高さの違いを察知する可能性もあります。
試合観戦の際は、この僅かな高さの違いに注目すると興味深いでしょう。
オリンピックとパラリンピックのバスケットゴール高さに違いは？
オリンピックとパラリンピックでのバスケットボールのゴール高さに違いがあるかというと、実はどちらも305cmと同じです。
パラリンピックでは全員が車いすでプレイするため、ゴールの高さに違いがあるように思われがちですが、実際には変わりません。
車いすからのシュートは容易ではなく、高度な腕力や技術が必要です。特にパラリンピックでは、ジャンプの代わりに車いすの片輪を持ち上げる「ティルティング」という技が使用されます。
これによりシュート成功率が向上しますが、片輪のバランスを保つためには高度なボディバランスが求められます。パラリンピックのバスケットボールでは、これらの特有の技術やルールに注目すると新たな楽しみが見つかるかもしれません。
小学生以下のバスケットゴール高さの違い
これまで説明した通り、中学生以上、男女、オリンピックとパラリンピックではバスケットゴールの高さに違いはなく、305cmが共通の基準です。
しかし、小学校以下の場合はどうなるのでしょうか？実は、小学校以下ではミニバスケットボールが行われ、ゴールの高さは260cmとなります。
このミニバスは、1964年の東京オリンピック後に始まった青少年の体力不足問題の対策として導入されました。
小学校での教育課程にバスケットボールが組み込まれるようになり、ミニバスケットボール、通称ミニバスが全国的に広まりました。
最初の頃は、ミニバス用のゴールが特別に用意されていなかったため、一般用のゴールにミニバス用のゴールを簡易的に取り付けて使われたこともあります。
これにより、子供たちが適切な高さのゴールでプレイできるようになり、スポーツの普及に貢献しました。
高さ調整が簡単なバスケットゴールおすすめ商品紹介
ここでは、高さを手軽に調節できるバスケットゴールの種類をいくつかご案内します。
テレスコープ方式調整タイプ
ポチップ
このタイプの製品では、調整ツマミを使って好みの高さに設定することができます。
高さを変えるためには、ボルトを外す作業とツマミを動かす作業が必要で、少なくとも2人が必要です。このタイプの高さの範囲は約230cmから305cm（7.5フィートから10フィート）です。
クイックアジャスト方式タイプ
ポチップ
棒を使ってボードを持ち上げることで、高さを簡単に調整できます。メーカーによって多少仕様が異なりますが、ハンドルを回すだけで簡単に高さ調節ができるものもあります。
こちらの製品も高さ範囲は約240cmから305cm（約7.8フィートから10フィート）です。
バスケットボールのサイズについて
バスケットゴールのサイズが一般公式とミニバスの2種類であることはお分かりいただけたと思います。
これは男女間で変わることはありませんが、異なる点は「バスケットボールのサイズ」です。
バスケットボールには最小の1号球から最大の7号球まで7種類のサイズがあり、競技で主に使われるのは7号球、6号球、5号球です。
7号球は男子の中学生以上に適した最大サイズ、6号球は女子の中学生以上向け、5号球は小学生用のミニバス用です。3×3バスケットボール用には特殊なボールもあり、これは6号球のサイズで7号球の重さが特徴です。
まとめ
この記事では、バスケットゴールの高さに関する情報を詳しくお伝えしました。
- 一般公式のゴール高さは305cm、ミニバスは260cm
- 中学生以上は一般公式、小学生以下はミニバス用
- バックボードの大きさは横180cm、縦105cm
- リングの直径は45cm
- 中学生以上の男女、オリンピック、パラリンピックは全て305cmの高さ
- ボールのサイズは、中学男子以上が7号、女子中学生以上が6号、ミニバスが5号
バスケットゴールの高さには、さまざまな背景があり、その奥深さを感じられるでしょう。
次にバスケットを見る際には、新しい視点で楽しめるかもしれません。
この記事がバスケットゴールの高さについての理解を深める助けとなれば嬉しいです。