多くの人が、実印を一番重要なハンコとして考えています。
しかし、実印を銀行印や認印として使用することには、何か問題があるのでしょうか？
実印を安易に使用することで、いくつかのリスクが発生する可能性があります。
今回は、実印をむやみに使ってはいけない理由や、実印の適切な扱い方について詳しく解説します。
実印をむやみに使ってはいけない理由とは？
「実印はむやみに使ってはいけない」という話を聞いたことがあるでしょうか？
実印が重要なハンコであることは知っている方が多いと思いますが、なぜ実印を気軽に使ってはいけないのか、その具体的な理由を知っていますか？
まずは、実印の定義と、実印を慎重に扱うべき理由について説明します。
実印とは
実印とは、住民が住んでいる自治体に登録されているハンコのことです。
自治体に登録することで、そのハンコは公的に本人を証明するものとなります。
実印は、不動産購入、住宅ローンの契約、遺産相続などの重要な場面で必要とされます。
また、実印は単独で使用されるだけでなく、自治体が発行する印鑑証明書と一緒に提出することが多いです。
本人確認が必須なシーンで、本人の存在を証明するために実印が用いられます。
こうした背景から、実印は非常に特別な役割を担っていると言えるでしょう。
実印をむやみに使ってはいけない理由
実印は個人の証明が可能であり、法的・社会的な効力を持っています。
例えば、白紙の紙に実印を押すと、どのような問題が生じるでしょうか？
「白紙なら問題ないだろう」と思うかもしれませんが、それは誤りです。
その白紙の紙に契約内容が記載されれば、正式な契約書として成立してしまいます。
さらに、印鑑証明書が揃っていれば、その契約を取り消すことはほぼ不可能です。
その結果、数百万円の借金を背負う可能性も否定できません。
したがって、実印を認印の代わりに使用したり、無闇に押印することは避けるべきです。
実印はいつ使う？女性が使う場面は？
実印を使用する場面は、不動産取引や住宅ローンの契約などです。
結婚していて世帯主が旦那さんの場合、女性が実印を使うことは少ないかもしれません。
しかし、未婚の女性や世帯主が自分の場合は、実印を使用する機会が多いです。
また、世帯主でない場合でも、遺産相続の手続きなどで実印が必要になることがあります。
したがって、性別に関係なく、実印を使う場面は多々あります。
実印と銀行印を同じにしてしまったときの危険性
実印と銀行印を同じハンコにするのは非常に危険なので避けましょう。
もし、同じハンコを使っていてそれが盗まれたら、銀行に預けている預貯金が引き出されるだけでなく、実印として様々な契約に悪用される危険があります。
セキュリティの観点からも、実印と銀行印は別々にしておくことが重要です。
一つのハンコで済むのは便利に思えますが、重要性が異なるため、しっかり分けてリスクを減らしましょう。
実印の怖さを知ればできる対策4つ！
実印は、法的・社会的な契約に使われる非常に重要なハンコです。
実印を適切に管理しないと、悪用されて大きな損害を被る可能性があります。
そうならないためにも、実印を持つ際にはしっかりと対策を講じましょう。
ここでは、実印を悪用されないための対策を4つご紹介します。
1.むやみに押さない
実印は、むやみに押さないようにしましょう。実印を押してしまったことで、借金を抱えたり、不動産契約がされてしまうトラブルが実際にあります。
そのため、銀行印や認印として実印を使うのは絶対に避けましょう。また、たとえ白紙の紙であっても実印を押さないようにしましょう。
実印が押された白紙の紙に、後から契約事項が書き込まれると、契約が成立してしまう恐れがあります。
試しに押す場合も、押した紙はすぐにシュレッダーにかけるか、細かく切り刻んで処分するようにしましょう。
2. 実印の場所を他人に教えない
実印の保管場所を他人に教えないことは非常に重要な対策です。
実印は個人を証明する非常に重要なハンコです。もし実印の保管場所を誰かに教えてしまい、盗まれた場合を考えてみてください。
第三者が実印を使用して書類に押印すれば、借金や契約が成立してしまう可能性があります。
そのため、実印の保管場所は絶対に他人に教えないようにしましょう。
3. 実印と印鑑登録書の保管場所を分ける
実印と印鑑登録証明書の保管場所を分けて保管することも重要な対策です。
契約を行う際、印鑑登録証明書で本人確認をすることがありますが、もし実印と印鑑登録証明書が一緒に保管されていて盗まれたらどうなるでしょうか？
実印が押されただけでも正式な契約書類になりますが、印鑑登録証明書が揃うと契約を覆すことは非常に難しくなります。
契約を行う側は、正式な実印と印鑑登録証明書によって本人確認ができ、契約内容に問題はないとされるため、これらが一緒に保管されていると契約書の強力な証拠となってしまいます。
したがって、必ず実印と印鑑登録証明書は別々に保管するようにしましょう。
4. オリジナルの印鑑を作る
実印として使用するハンコは、オリジナルのものにすることも対策の一つです。
現代では機械で作られたハンコが多くありますが、実印に使うハンコは手彫りで作るオリジナルのものが望ましいです。
なぜなら、機械製のハンコは偽造されるリスクがあるためです。
手彫りのハンコであれば、少しずつ手作業で彫るため、世界に一つだけのハンコを作ることができます。実印には、オリジナルのハンコを選ぶと良いでしょう。
実印を持ってないときに作るコツは？
実印の危険性について理解していただけたと思います。しかし、実印をまだ持っていない方もいるでしょう。
実印を作る際のポイントについて説明しますので、確認してしっかりとした実印を作りましょう。
安くていい？
実印の価格は1,000円から30,000円程度と幅広いです。
中には1,000円未満で作成できるものもありますが、実印に安すぎるものはおすすめできません。
まず、安価なハンコは耐久性が低く、劣化して割れやすいことがあります。
また、安価なハンコは機械彫りが多く、偽造されやすいためセキュリティが低いです。
機械彫りよりも価格は高くなりますが、手彫りのハンコを実印に使用するのが一番安心です。
これらの理由から、あまりに安価なハンコを実印にするのは避けた方が良いでしょう。
縦書き・横書き？
実印は、フルネーム・氏のみ・名のみといった形で作成することができます。
また、氏のみや名のみの場合、縦書きか横書きかを選択することも可能です。
実印としては縦書きでも横書きでも問題ありませんが、一般的には男性はフルネームの縦書き、女性は名のみの横書きが主流です。
ただし、住んでいる自治体によって規定が異なる場合がありますので、自治体の規定を確認してから縦書きか横書きを選ぶのが良いでしょう。
自治体がどちらでも問題ない場合は、好みに合わせて選んで構いません。
フルネーム・名前のみ？
実印はフルネーム、氏のみ、名のみで作成することができます。
実印としてはどの形式でも問題ありませんが、自治体によっては名のみの実印が登録できないこともあります。そのため、実印を作成する前にお住まいの自治体の規定を確認することをお勧めします。
自治体の規定に問題がなければ、好みに応じてフルネームまたは名前のみで実印を作成して大丈夫です。
特に女性の場合、結婚で苗字が変わる可能性が高いため、名のみで作成しておくと結婚後も長く使えて便利です。
「実印 使ってはいけない」を検索する人がよく思う疑問と回答４選
実印と銀行印を一緒にしたらどうなる？
実印と銀行印を一緒にして問題が起こらない場合もありますが、非常にリスクがあります。
盗まれた場合、銀行の預貯金が引き出されるだけでなく、勝手に契約を結ばれてしまう可能性もあります。
安全性を高めるために、実印と銀行印は別々にすることをお勧めします。
実印は女性にも必要ない？
実印は女性にも必要です。不動産取引や住宅ローンの契約など、重要な手続きに使われます。
世帯主が旦那さんの場合でも、遺産相続手続きには実印が必要になることがあるため、作成しておくと安心です。
実印は必要なくなりますか？
最近、押印廃止が話題になっていますが、実印が不要になるわけではありません。
押印が不要になったのは実印を必要としない手続きに限られます。重要な契約や手続きでは、今後も実印が必要となるでしょう。
実印はどんな時に使います？
実印は、不動産取引、住宅ローンの契約、遺産相続手続きなど、非常に重要な手続きに使用されます。
これらの手続きには、実印が正式な証明として不可欠です。
まとめ
今回は、実印について詳しく解説しました。実印は法的・社会的に非常に重要なハンコであり、押印することで正式に契約が成立します。
実印を無闇に使用したり、銀行印と一緒に保管することで、様々なトラブルや犯罪に巻き込まれるリスクがあります。
したがって、実印を作る際には、セキュリティの高い手彫りのオリジナル印鑑を選び、適切な対策を講じて大切に保管することが重要です。