スーパーでキャベツを選んでいると、たまに黒い斑点や変色した部分を見かけることがありますよね。
また、キャベツを切って冷蔵庫で保存していると、時間が経つにつれて黒っぽく変色することもあります。
これらの「黒い斑点」と「断面の黒い変色」の原因は異なるように思えますが、どちらの場合でもキャベツの黒い部分は食べても大丈夫なのでしょうか？
もちろん、キャベツの黒い斑点と黒く変色する理由も気になります。そこで今回は「キャベツの黒い部分の正体」について詳しく解説していきます。
キャベツの黒い斑点の正体とは？
まずは、丸ごとのキャベツに見られる「黒い斑点」について見ていきましょう。
黒い斑点は「ごま症」と呼ばれる生理的障害
スーパーで売られているキャベツに見られる小さい黒い斑点は、ポリフェノール類が蓄積したものです。見た目はカビのように見えるかもしれませんが、これはカビではありません。
この現象は、天候不順や低温環境、肥料からの窒素の過剰摂取などが原因で、キャベツがストレスを感じたことによって引き起こされると考えられています。
ちなみに、この「ごま症」はキャベツだけでなく、白菜や小松菜などにも見られます。
バナナの皮を冷蔵庫に入れておくと黒くなるのも、同じくポリフェノール類による色素変化が原因です。
水滴の氷結による「内部黒変症状」
冬に収穫されるキャベツには「内部黒変症状」も見られることがあります。
これは黒い斑点というよりも黒いあざのようなものです。この症状はキャベツについた水滴が凍り、その後急速に解凍されることで起こる生理現象です。
キャベツの黒い斑点部分は食べても問題ないの？
キャベツに黒い斑点（ごま症）があっても、食べることには全く問題ありません。これは単純に色素が変化しただけで、品質が悪くなっているわけではありません。
味や品質に問題がないことは「農林水産省」のサイトにも記載されています。
また、内部黒変症状も病気ではなく、キャベツの生理現象なので食べても問題ありません。
ちなみに、私は鍋料理が大好きで、よく白菜を買いますが、同じように黒い斑点があっても気にせず鍋に入れて食べています。
キャベツの断面が黒く変色する理由は？
ここまではスーパーで売られているキャベツの黒い部分についてお話ししましたが、家庭でキャベツを冷蔵庫に保存していると断面が黒くなることがあります。
この現象の原因について説明しましょう。
断面が黒くなっていくのは酸化によるもの！
キャベツの断面が黒く変色していくのは「酸化」が原因です。
断面が空気に触れることで、キャベツに含まれるポリフェノール類が変色します。
そのため、先述したごま症と同様に、食べることには問題ありません。これは、りんごの皮をむいて置いておくと変色するのと同じ現象です。
黒く変色させない方法はある？
りんごの変色を防ぐ方法として「塩水につける」がありますが、キャベツにも変色を防ぐ方法があります。
飲食店では作り置きの千切りキャベツを水につけることで、空気に触れさせず変色を防いでいます。
家庭では、キャベツの断面を「濡らしたキッチンペーパーで覆う」ことが効果的です。これにより、変色を遅らせることができます。
キャベツで変色した部分に「ぬめり」がある時は？
キャベツが変色してぬめりがある場合、それは雑菌が発生して腐っている可能性が高いです。
「洗ったら使えるかな？」と思うかもしれませんが、ぬめりがある部分は全て捨てた方が良いでしょう。
酸っぱい腐敗臭がするなら完全にアウトです。
キャベツを腐らせずに長持ちさせるために
キャベツは収穫後も芯が葉から栄養を取ろうとします。そのため、芯の成長を止めてキャベツを長持ちさせる方法として以下の方法があります。
- キャベツの芯に爪楊枝を3、4本深く刺す
- キャベツの芯をくり抜く
これらの方法を試すことで、キャベツの保存期間を延ばすことができます。
まとめ
今回は「キャベツが黒くなる原因」についてお伝えしました。ポイントをまとめると、
- キャベツが黒くなる多くは生理症状による変色
- 菌などが繁殖しているわけではないので食べるのに問題はない
- ただし、ぬめりが発生していると腐っている可能性が高い
ということです。キャベツを使い切れずに保存する際は「断面を濡れたキッチンペーパーで覆う」ことで黒く変色することを防げます。
また、芯をくり抜いたり、芯に爪楊枝を刺すことでキャベツの保存期間を延ばすことができるので、ぜひ試してみてください！